通院とカウンセリング、自宅でのリハビリで以前の調子を取り戻してきたAさんに、主治医は職場復帰のためのリワーク・プログラムへの参加を勧めた。週に数日、定期的にデイケアに通い、体力や集中力、作業能力のアップを図りながら、症状のセルフチェックやストレス対処法も学び、復職に向けて準備していくという。確かに、前回の休職の後、コンディションが戻らないまま職場復帰し、あっという間に症状がぶり返すという苦い経験があった。「まずは職場に通うのに近い形で、オフィスワークや色々な人とのコミュニケーションに慣れておくことも大事」「同じ立場の仲間と出会えるのも励みになりますよ」という主治医の言葉に後押しされて、Aさんはプログラム参加を決めた。いざ始めてみると、久々の通勤ラッシュに揉まれて不安になったり、毎日症状をチェックして、自分と向きあう作業が辛く思えることもあった。それでも、同じように復帰を目指す仲間と出会い、グループワークを通じてお互いの経験や不安を率直に話し合えたことは、大きな刺激になり、支えにもなった。職種も立場も様々なメンバーと語り合うなかで、其々の経験がうつとの付き合い方のヒントになることも度々あった。『辛いのは自分だけじゃない』『皆んなが同じように回復に向けて頑張っている』と勇気づけられたAさんだった。やがて3か月のプログラムを終了し、Aさんは無事に職場復帰を果たすことができたのだった。
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